4月16日、上川陽子内閣府特命担当大臣(少子化、男女共同参画)とJ-Win「国・社会・内閣府への提言分科会」を中心に、ワーキングマザーを加えた9名のメンバーと開かれた懇談会第4回目をお届けします。司会は内閣府男女共同参画局長の板東久美子氏です。
上川大臣 お話をうかがっていますと、エスタブリッシュされていらっしゃる皆さんなので、ご苦労されてきた壁については、ある意味で自分が乗り越えなければならないと思うわけですね。そうした皆さんの後ろ姿を見ながら追いかけている方には、ジャンプアップしなければならないハードルが高いように見えます。
逆に言うと、ジャンプアップするパワーがないと、辞めてしまってもいいかと思ってしまう。できるだけジャンプアップというイメージを持たせないためには、階段は一歩ずつ上がっているんだというイメージ、つまりステップバイステップという考え方がもう少し出てくるといいですね。キャリアは少しずつ努力を重ねていくことで、そこまで行くんだというような見せ方をしていかないと、少しハードルが高く見えます。
そこでJ-Winでも、ステップアップしていく身近感の中でメンター的に皆さんが見えてくる、そうした見せ方を少し考えた方がいいかもしれません。
絹川 おっしゃる通りですね。そもそもJ-Winは、私たち自身もキャリアアップしようというコンセプトでやっておりますので、私達自身も一歩ずつ頑張るということですが、同時に自社の後輩をどう育てるかというテーマを皆抱えていて、いろいろなロールモデルを見せていこうと各社努力しているところです。
ステップバイステップのイメージを提示するという意味では、さまざまな年齢層の先輩女性を見せていくとか、キャリアアップの軌跡、ターニングポイントを時系列で見せるとか、工夫しています。
上川大臣 そこはすごくお伺いしたい。皆さんのように第一線で働いている方が、高校に出かけて行って、組織って何なのというABCの話から、キャリア教育まで地に足のついた話をする。高校生にとって、働くことを自分の問題としていかに意識化できるか、が大切です。
いっぺんに最後まで見せてしまうと、「私は無理よ」ということになって、せっかくのステップアップができにくい。どういうレベルではどういうことが大切になってくるのか、皆さんのキャリアを積み上げてきたステージの中で、ここのカギを開けたときに考えていたことは、じつは次のカギを開けるときには考える必要はないとか。このことが重要だというようなものを提示してもらえると、プランニングの中で先を展望することができるかもしれません。
たくさんの方に今の皆さんのような喜びを感じながら頑張っていただくには、どのように取り組んだらよいのか、ぜひJ-Winのなかで研究していただきたい。
絹川 大臣がおっしゃったことは各社でも困っていることでして、J-Win活動に下ろして研究しています。先ほどの高校生もそうですが、比較的若い女性向けや、さまざまなテーマに分けて分科会をやっていて、いろいろ網羅してやっていこうとはしていますが、苦戦しています。
松宮 我々は男性の意識をどう変革していこうかということをテーマとしてやっています。女性のロールモデルはある意味出てきていますが、では男性はいろんな考え方をしていますが、それを知る機会はお互いあまりにもなく、みんな競争社会で我こそはというなかで、いろんな働き方をされている男性にお話しをいただき、どう意識が変わっていくかということを研究しています。
上川大臣 それはもうひとつ、大きな仕事ですね。
松宮 それを1年を通じてどう変わっていくかということを、一人の人を通じて観察もしています。もしよろしければ大臣のご主人にもお話を伺わせていただきたいのですが。まさしくパートナーを支えていらっしゃる方だと思うのですが、そういう方が何をどういうふうに考えながら、ご自分のお仕事もやられていらっしゃることを、いろんな方に知っていただくのが必要なのかなと思っています。