家庭も仕事もあきらめない!
「国・社会への提言」分科会では、メンバーのみなさんの協力を得て、会員企業の女性社員を対象に約4000名の「働く女性のWORK&LIFE調査」を行いました。その調査結果をもとに、小渕優子内閣府特命担当大臣(少子化対策・男女共同参画)との懇談会が実現しました。
2月25日、東京永田町の内閣府で開かれた懇談会には、国・社会分科会メンバー11名が参加。報道陣も居並ぶ中、まず、絹川幸恵分科会リーダー(みずほ証券(株)人事部ダイバーシティ推進室長)から、この調査結果についての報告が行われました。
たくさんの調査項目の中から、この日の焦点は、「働く女性と妊娠・出産、育児」の問題。「子供はほしい、できれば二人はほしいと思っているにもかかわらず、実際に子供をもっている人はわずか3割にしか過ぎない。大企業においては制度も整ってきているし実際利用もできるようになってきているが、キャリアアップを目指す女性が子供を産まない、産めない理由は別にある」というアンケートから見えた実態です。
その最大の理由は、「20代はキャリア・ロス(※)が心配で子供はまだ先にと思い、そうしているうちに30代も半ば以降になると不妊症という現実にぶつかる」という点でした。
(※)キャリア・ロスとは
仕事から離れることによる知識・専門性の低下、評価・昇進面でのマイナスなど
そこで、問題解決の方策としては、
(※)キャリア・ロスとは
仕事から離れることによる知識・専門性の低下、評価・昇進面でのマイナスなど
そこで、問題解決の方策としては、
●30代も後半になると妊娠しにくくなるという女性の体の現実を、ほとんどの女性が知らない。高校生、大学生時代からこうした情報を知る機会が必要である。
●キャリア・ロスが心配というけれど、子供をもっている人たちからは、子供を持つことによるマイナス面よりも、忍耐力がついた、視野が広がったなど、キャリアにとってもプラスという人の方がはるかに多い。つまり、子供をもつということは、「キャリア・ロスではなく、キャリア・メリットである」ことを次世代の女性たちには伝えたい。
●男性の意識改革も必要。「男性は働き、女性は家事・育児をする」のが普通だと無意識に考えている人は相変わらず多い。男女共に自立し、仕事にも家庭にも責任を持つことが求められている。
●まずは長時間労働をよしとせず、男性も含めたワークライフバランスを。
以上のような点を、J-Winとしては今後も訴えてゆきたいと締めくくりました。
スピード感のある仕事を、成果を
板東久美子内閣府男女共同参画局長の司会で、参加メンバーたちの自己紹介と大臣への要望事項などが紹介され、大臣からは次のような励ましの言葉をいただきました。
「みなさん、お忙しい中、本日は、ありがとうございます。また、貴重なアンケート報告書をいただき、感謝申し上げます。私もみなさんと同じように母親で、自分自身の経験を仕事に生かしていかなければと思っています。そうしたときに、私だけでなく、働く女性たちが実際にどのように感じ、どのような要望を持っているかを知ることはとても大事なことだと考えています。
この国は、決して貧しいわけではないのに、子供がほしいと思いながら実現できない。みなさんの声が生きてこないのは、おかしなことですね。でも、顧みると、30年、50年も前の女性たちは、もっと勉強したいのにできない、働きたいのに働き続けられないという状況にありました。しかし、先輩女性たちががんばってくれたおかげで、私たちはいまのような環境を享受できるようになりました。私たちは次の世代のために、あきらめず、一緒にがんばっていきましょう。私はスピード感のある仕事をしていきたいと思います」。
続いて、どうしたら子供を産みやすい環境が作れるのか、大臣とメンバーとの率直な意見交換が行われました。
そして、私たち世代は、「がんばって」仕事と子供を手に入れた時代だが、次世代には自然にキャリアも子供も、両方手にできるという環境作りをめざしていきましょう、それは男性にとってももっと快適な社会になるはずと、目標を確認しあいました。
大臣は、以上のような社会の実現のために、これからも発言を続けていきますと、力強く語られました。
最後に、絹川リーダーから、大臣に、水天宮のお守りをお渡しし、貴重な1時間の懇談会を終えました。